鍋の修理
先日、個人の方からメールで鍋の修理依頼があったんです。内容を聞いてみると三重構造のステンレス鍋なんですが表面にプツッと穴が空いているらしいんです。そこを埋められないかと。
三重構造の鍋って熱伝導率の悪いステンレスの間に熱伝導率の良いアルミを挟んである鍋なんですがそこに穴が空いているという事は内側のステンレスが孔食腐食しアルミ部分まで穴が空いているんだと思ったんです。
そして悩んだ結果、薄いしアルミ部分との兼ね合いで溶接は難しいとお伝えしたんですけど「今まで丁寧に使ってきたとても大事なお鍋なんです」と言われダメもとでもやってほしいという事だったんでお受けしたんです。
そして先日送られてきた鍋がこれ!かわいらしい鍋です。
そして「皆さんで食べてください!」と一緒にお菓子を送ってくださいました。なんかね、本当に大切にしていたことがひしひしと伝わったんですよ。しゃーない!久しぶりに本気だそか(*’▽’)
と言う事で老眼鏡を装着(#^.^#)
老眼鏡最強や!よ~見えるわ(#^.^#) この赤丸部分1mmぐらいの穴が空いています、孔食腐食やね。見た感じ上のステンレス部分板厚が0.5mmぐらいはありそうなんでアルミとの間に隙間があり不純物が混入しているとかじゃなければいけるかもしれませんね。
ちょっと試しに火を出してみます。うん、吹きあがりもめくれ上がりも無いね、なんとかいけそう。
少しづつ馴染ませながら棒で盛っていきます。
焦って一気にやってしまうと内部に空気が残ったりするんで慎重に少しづつね(#^.^#)
はい、出来上がり!
盛り上がった部分をさっと削って
全体的に仕上げます。
そして全体的に腐食が見られたんでケミカル山本の中性電解でスーパー不導体化処理をします。サービスです(#^.^#)
ステンレスって腐食しないイメージですが仕上げ方によって表面の耐食性は変わるんです。削りっぱなしや溶接しっぱなしは表面の組織がボロボロになり綺麗に不働態被膜が形成されていない場合があるんです。酸洗や電解研磨をすることにより表面に均一な不働態被膜が形成されます。処理って大事なんですよ。
これで耐食性上がったやろ!(#^.^#) まあ、メーカー曰く304が316Lなみの耐食性になるらしいからね。信じるかどうかはあなた次第😁
食器用洗剤で洗って完成、すぐに送りました。するとメールが
竹中さま
この度は面倒なお願いを快く引き受けて頂き本当にありがとうございました!!
開封してお鍋を見た瞬間、両手を上げて飛び跳ねて喜びました!
とっても嬉しかったのです。これからもこのお鍋を大切に使わせていただいて美味しい料理を作ります。
蒸し暑くなってきましたね。竹中さまのお仕事場は熱源をお使いのことでしょう。皆さまがご体調よくご活躍されますようお祈りしています。
本当にありがとうございました!!
安い品物が横行しなんでもすぐに捨ててしまうこの時代に、一つの鍋をこんなに大事に使っておられることに感動しましたわ。しかもこんなに喜ばれる事ってあります?なんか凄く嬉しかった、この仕事やってて良かったって思えましたね☺
と言うことで今日は一般のお客様つながりで北海道のコーヒー屋さんからの依頼で作ったタンクです。
既存の設備では物足りなかったみたい。製作し早速北海道にお送りしましたが、むっちゃ喜んでいただけました!😁
↓↓↓ホームページも是非ご覧ください!
喜ばれる仕事って素晴らしいいね!😁
ディスカッション
コメント一覧
長年使っていたステンレス製の鍋の底が外れてしまいました。底が抜けたとの意味では無くて、鍋の底に直火が当たる部分のカバー部です。
この部分を修理する事は可能でしょうか?メールアドレスをご連絡頂ければ、写真を送って、修理の可否を判断頂きたいと思います。
使用された鍋は異物が沢山隙間に入っており、とてもやりにくくて失敗する可能性も高いんです。しかも料金もそこそこかかると思いますよ(数千円から万円位)それでもよろしければ拝見させていただきます。
info@technofirm.co.jp