父の起業からの廃業、そこから得られた事は?
最初に父が起業したのは私がの小学校低学年の頃、イケイケだったころですね。誰にも負けない腕を身に着けた父は自分の腕を試したいと大阪の平野区加美に小さな工場を借りて二人で起業しました。起業資金は数年前に新築で建てた自宅を売ったお金で賄いました。
父は毎日、朝早くから夜遅くまで休みなく働いていた。そして月に一度ぐらい日曜日に母が私たち姉弟を連れて工場に掃除しに行くんです。はっきりとは覚えていませんが小さな定盤が一つと薄暗い小さな作業場、どよ~んとした空気が流れ、鉄の匂いがツーンと鼻に突き刺さる昭和の鉄工所のイメージの空間です。
その作業場で父親が溶接したり鉄を切ったりしていたんですが、それをボ~っと眺めていても面白くないんで姉と二人で外に遊びに行ってました。
大阪の加美って今では民家も多くだいぶ綺麗になりましたが、小さな工場がひしめき合う工場地帯やったのでその地域に入ると一面鼠色なんです。今みたいにオシャレな鉄工所や綺麗で清潔な工場なんて皆無でしたからね、幼心にテンション下がってましたわ。話がそれましたが遊ぶところなんかありませんので、近くを通っている貨物線の敷地内で線路の上を平均台の上を歩く様に歩いたり、石を積んだりして遊んでたんですよ(40年近く前の話ですよ)今考えたら恐ろしいですけど姉と二人そこで朝から晩まで遊んでました。
そんな感じだったので父の顔なんてほとんど見なかったし遊んでもらった記憶も何処かに連れて行ってもらった記憶もあまりないんですよね。そして数年が経過、うちの家庭は裕福になったのかと言うと新築一戸建てだった家がビー玉を置いたら転がるような傾いたボロボロの中古の家に変わっただけでしたね。
良い仕事をすればお金は後からついてくる
後から聞くと起業する前に仕事をくれるはずだった会社から搾り取られただけやったらしいんです。父は真面目なので採算ラインギリギリの利益でしか金額を提示しなかったのに、納品時にそこから更に赤線ひいて値下げさせられていたそうです。「良い仕事さえすればお金は後からついてくる」と思い、その会社を信用してついて行ったのに見事に踏みにじられたわけです。
その後、田舎の祖父(父のお父さん)が事故で急に亡くなり、「家族の顔も見ない生活をし裕福になったわけでもなく何をしているんだろう」と思い廃業をする事にしたんです。事故当日に帰省する予定だったのを仕事が忙しいからと帰らなかった事で強く後悔があったんだと思います。
これ可哀そうって思うかもしれませんが、うちらの業種だとよく聞く話なんですよね。「自分さえ儲けられたら他の人なんてどうでもいい!」という考えの人なんか世の中ごまんといる。人を信用するというのは尊いものですが、すべてをかけてはいけない。人を信用するな!と言ってるわけではなく私が信用しないというわけでもありませんよ。この人は信用に値すると思っても自分の置かれている立場と能力を考え、自分でどうにか出来る範囲で計画は立てなくてはいけないと思うんです。
しかもこういう形で人を信用するという事は、ある意味その人に依存する事にもなりえるのでなおさらよくないんですよね。なので信用してもそれだけに全集中してはダメで、違うプランも絶対に考え先手を打っておくことが大事。
廃業してから数年後、再度起業したんですがまた裏切りにあい、そこからまた独立したりとほんと忙しい人ですが、そこでもまた人に裏切られたりしたんで、まったく懲りないしそういう意味では運がなかったんでしょうね。なので父はそこから何を学んだのか?と考えたんですが、そういう意味では学んでなかったと言わざるをえない。だって同じ事繰り返していますもんね。でもね、仕事で家族を犠牲にする愚かさは強く感じたんじゃないかなとは思いますけどね。
独立する若い人
世の中には良い人も沢山いるけど悪い人もウジャウジャいるんです。かと言って誰の言う事も信じず挑戦をやめるのはちょっと違う。やめるのは他人に言われて行動し自分で考える事を放棄する事、人のせいにせず「最後は自分で何とかする!」という覚悟が必要やと思う。これって起業する人に限らずすべての人に当てはまる事やと思うんですよね。
独立したい若い方にこの父の経験を参考にしていただければ本人も喜ぶと思います(#^.^#)
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今が良ければそれでいいね!😁
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